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#2 体の中をきれいにする?!「食物繊維」


食物繊維」というと、文字通り繊維状のものを想像しそうですが、実は、食物繊維とは人間の消化酵素では分解されない物質の総体を指しています。つまり消化器の中で消化や吸収されないものが食物繊維の特徴で、大きく水溶性と不溶性に分けられています。

水溶性はヌルヌルとした粘性があり保水性が高いので、食物が胃にとどまる時間を長くし、小腸での栄養分の吸収をゆるやかにするため、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。
水溶性には、果物やニンジンなどの野菜に多く含まれるペクチンや、コンニャクに含まれるマンナン、海藻類に含まれるアルギン酸などがあります。
不溶性は水に溶けず、消化もされずに腸内の水分を吸収して膨らむので便の量を増します。これによって腸壁を刺激し、ぜん動運動を活発にすることで便通を促進。つまり発ガン性物質やダイオキシンなどの有害物質の吸収を妨げ、体外へ排出させる働きをしてくれるのです。
不溶性には、不溶性ペクチン質、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどがあり、野菜やキノコ類に含まれています。

さらに、近年の研究では消化されにくいデンプンの存在が明らかになってきました。この難消化性デンプンは「レジスタントスターチ」と呼ばれ、食物繊維に類似した生理機能があると考えられています。
通常、食べたものは胃→小腸→大腸を通っていく間に消化吸収されますが、この「レジスタントスターチ」は食物繊維と同様に消化されずに大腸までやってきて、微生物によって利用され、酢酸、酪酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸という物質を作ります。短鎖脂肪酸のほとんどは吸収され、大腸の重要な栄養となって腸の運動を活発にするなどの働きがあります。

このように食物繊維には、体の中をきれいにしてくれる多くの働きがあるほか、「腸の第一の栄養素」として大変重要視されています。特に高タンパク・高脂肪に傾きがちな現在の日本の食生活では、欠かせない栄養素といえるでしょう。



● 食物繊維を多く含んだ食品は? ●

食物繊維は植物性食品の中の野菜、果物、豆類、精製されていない穀物、副穀物、キノコ類、海草類に多く含まれています。
中でも海草類の乾燥された重量の50%〜60%は食物繊維。 野菜ではニンジン、オクラ、ホウレンソウ、芋やデンプン類ではシラタキやサツマイモ、果物では干しブドウ、バナナ、キウイ、リンゴなど。


食物繊維は摂りすぎにも注意を

食物繊維は栄養素を吸着し、吸収を阻害するので肥満予防、血液中のコレステロール濃度の上昇を抑える、腸内でビフィズス菌などの有益菌を増やし、過剰な動物蛋白脂肪食によって増えた有害な腸内細菌の発生を抑制する、といった成人病予防にも役立っています。

ただし過剰に摂取すると、微量栄養素の無機質やビタミンの吸収率を低下させるので注意も必要です。

もっとも、1日当りに必要とされる食物繊維25gに対して、実際に摂取しているのは半分以下といわれているので、大人の場合は極端に過度の摂取をしない限り問題はありません。