#9 高いとどうなる!?「血圧」

心臓は、生きて行くために24時間休まずに働き続け、血液を体のすみずみまで送り届けています。血圧とは、その血液が流れるときに血管壁を押し広げる圧力のこと。血管には大動脈、動脈、細動脈、毛細管、静脈などがあり、それぞれ太さや血管壁の厚さや構造が異なるため血液の流れ方も違っていますが、私たちが一般的に呼ぶ血圧は上腕の動脈圧です。また、よく言う「上」と「下」とは、血管を押し広げる力が最も強いとき(最大血圧)と、最低限の血液だけが流れていて押し広げる力が最も弱いとき(最小血圧)の数値です。
では、なぜ血圧を測る必要があるのかというと、ひとつは高血圧の診断や病人の心臓機能を判定すること、もうひとつは2カ所の血圧値を比較して動脈の病気を診断することです。普段の健康管理で血圧を測る目的は、高血圧の診断ですね。
高血圧とは、日本ではWHO(世界保健機関)にならい、上が140mmHg以上、下が90mmHg以上で、どちらかひとつ該当する場合でも高血圧となります。ちなみに低血圧とは上の血圧が100mmHg以下のこと。ただし、低血圧ははっきりした原因がある場合を除き治療の必要はありません。
高血圧の原因は、はっきりした原因もないのに血圧が上がる「本態性高血圧」と、腎臓の血管や副腎に異常がある場合など他の病気が原因となって生じる「二次性高血圧」がありますが、実は高血圧症のほとんどは、原因が不明だと言われています。その中でもウエイトが大きいと考えられている要素は遺伝的体質で、両親とも高血圧の場合、その子供も高血圧になる可能性は50%、片方の親だけの場合は30%とか。加えて生活習慣などの環境的要因も大きく関わっています。逆に考えれば、遺伝的体質でも生活習慣を正すことで高血圧の発症を抑えることもできるわけです。
血圧は一日の中でも変動しているのでこまめにチェックし、生活習慣の改善によって血圧を下げる努力をしたいものですね。
● 高血圧になりやすい生活習慣と、かかりやすい病気は? ●
血圧を上げる要因はひとつではなく、いくつかが積み重なって生じるものと考えられています。
その代表的な例が、塩分の過剰摂取、ストレス、肥満、タバコなど。もともと高血圧自体には自覚症状がなく、体の中で人知れず血管を痛めつけて動脈硬化などが進行するのでサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれています。しかし視力障害や拍動性の頭痛、回転性のめまい、舌のもつれは脳血管疾患の、仕事中の脈の乱れや胸が詰まるなどは心疾患の前ぶれかも。また夜間の排尿回数の増加は腎機能低下が疑われます。
塩分を減らし、血管をいたわろう!
塩分(ナトリウム)を過剰に摂取すると、塩分はほぼすべて吸収されて血管の中に入ります。体は、高くなってしまった塩分濃度を薄めようと血管外の体液中の水分を血管内に流し込みます。結果、一定の塩分濃度に薄まったものの、全体の血液の量が増大し、血管内に抱えきれないほどの血液が溜まってしまいます。これが食事性の高血圧です。
この状態を改善するには、血液中の塩分を少しずつ濾しとっておしっこにしてしまう(利尿)か、汗をかいて出すしか方法がありません。利尿作用のある栄養素の一番はカリウム。しかし日本人はカリウムの摂取量が世界的にも少ないことで有名です。それは、生で野菜を食べる習慣がないせいでもあります。野菜は煮てしまうとカリウムが煮汁に逃げてしまうからです。かといって日本の伝統的な調理法にも理にかなっている部分があって、煮ることにより野菜中のシュウ酸やショウ酸などの有害物質を除去することができるのです。シュウ酸はいわゆるアクと呼ばれ、体内に吸収されると、血液中のカルシウムと結合して腎臓に溜まって結石になりやすく、ショウ酸はニトロソアミンとなって、発ガン性をもちます。特に日本で育つ野菜は、促成栽培の影響もあり、これらの有害物質の含量が他の国で栽培されたものに比べ多いのも確かです。日本の風土で食事を続けるならやはり、「野菜は煮物で、塩分を少なく」が基本となるわけです。
さて、それでは長く高血圧であった人は、食事や薬で高血圧をなくしていくとしても、それだけでよいのでしょうか?長期間の高血圧は、特に血管、心臓、腎臓に負担をかけ続けるわけです。これら組織は恐らくダメージを受けて、ところどころでほころんでいると考えたほうが無難です。そのダメージは、修復可能なレベルから不可能なレベルまでさまざまです。特に腎臓は修復が困難な臓器です。
血管内の表面のダメージを受けたコラーゲンを修復するには、大量のビタミンC、E、A、亜鉛か゛必要です。サプリメントを活用して微量栄養素きちんと摂ることによって、高血圧の「サイレントキラー」に対して、ダメージを修復し、また血管をいたわることが大切です。