健康物語ルーシー&サミー
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#15 第7話 サミーの「MEMORY」(2)


しかし、バラ色の時はいつまでも続かないのが世の定めとも言う。
――“次の公演のため、この街を離れます。別れがつらいから会わずに行きます。”
マリーの手紙の上で、ひとつふたつと涙が跳ね、文字がにじんで消えた。大きくまぁるい背中をさらに丸めてサミーは肩を震わせた。


そこに、20年来この街で路上生活を送っているじいさんが、ちょっと怪しげなワインらしきものを持って寄って来た。
『若いの、これでも飲んで元気を出せ。』
二人はしたたかに酔い、唄い出した。♪…めぇぇ〜もぉりぃぃ〜 サミーの声に輪をかけたじいさんのダミ声。その強烈な二重奏のまえに耐えきれず、スズメたちがバタバタと落下していた。その中の一羽がうめきながら――『古くて酸っぱくなったジュースで…、しあわせな連中だ…