誰かから誰かへ、手渡されて広がる。

ブイ・クレスの輪ものがたり

大切な人を想う気持ちが手渡されて、広がっていく。
ブイ・クレスの輪を描いたショートストーリー。

メインイメージ

第4回

一年ぶりの女子会

 友美さんは、夫と、受験をひかえた高校二年生の娘と暮らしている。「ブイ・クレス」は、友美さんと同じく受験生をかかえるママ友が教えてくれた。
 今日は友美さんの家に、学生時代からの友人が集まるランチ会。今はそれぞれ環境が違う四人だが、付かず離れずずっと仲がいい。このランチ会は、みんなが都合を合わせて会う大切な時間だ。簡単な一品を持ち寄るのが決まりで、友美さんが用意したのはサラダ。そして、冷蔵庫にはいろんな味の「ブイ・クレス」が冷やしてある。家族のこと、仕事のこと、いろいろ忙しいみんなに「ブイ・クレス」を飲んでもらいたい、そして元気でいて欲しい、と思う。
 「こうして集まるのも久々よね」と誰かが言う。私たちは学生時代から何かあるたびに一緒に慣ったり、励ましあったり、泣いたり笑ったりしてきた“同志たち”だ。今では、全員が集まる機会は少ない。だからこそ、四人揃って顔を見ながら近況を話す、このひとときをみんなどれほど楽しみにしていたことか。
 息子が地方で一人暮らしを始めた友人が「私、息子にもブイ・クレス送るわ」と言う。さあ、そろそろお開きだ。「お酒も飲まずにこんなに喋れるなんて!」四人は笑いながらそれぞれの日常に帰って行く。